5日、カンボジア政府はプノンペン国際空港とプノンペン市内とを結ぶ交通機関AGT(Automated Gateway Transit )の運行プロジェクトが準備段階にあることを明かした。AGTとは電力で動く乗り物だ。これまで何度もプロジェクトの中断されてきたが、今回は正式に着工するとみられている。
5日、Sun Chanthol公共事業運輸大臣は報道陣に対して「AGTプロジェクトは2年以内に日本のJICA(Japan International Cooperation Agency)と協力して開始される予定だ。JICAはどのプロジェクトにおいても事前調査を徹底する方針で、調査は来年末までに完了すると見込まれている」と話した。
AGTは時速60キロで走行する。有害な煙を排出することもなく、環境への配慮もなされている。また、AGTは地下で運行されるため、車庫も地下に建設される。そのため、地上で保管場所を確保する必要もないのだ。
同大臣は「AGTの建設により、移動手段の選択肢が増えることで、道路渋滞が緩和されることが期待されている。また、日本政府はこの事業への8億ドル(約880億円)の支援から撤退するとの話も耳にするが、それは事実無根のうわさだ。日本政府による支援はすでに決定されている。ただ、支援金が貸付金と給付金のどちらなのかはまだ決まっていない。今後日本政府の意向を確かめるために話し合う必要がある。ただ我々は日本から良い回答が得られることを固く信じている」と述べた。
AGTはプノンペンのセントラルマーケットからプノンペン国際空港までの18キロを運行する予定だ。現在、正確な運行ルートを話し合っているが、既に決定しているのは4キロは地下鉄として運行し、プノンペン国際空港まで向かうことだ。また、AGTの建設工事で国民や企業に莫大な損害を与えないように注意を払うつもりだという。
また、同大臣は「注目してほしいのは乗車運賃が非常に低価格で、国民の誰もが気軽に利用できるという点だ。また、現在、中国企業と協力してスカイトレイン(sky train)の運行を検討しているが、今回のAGTプロジェクトの運行ルートに鑑みてプロジェクトの詳細を話し合っていきたい」と続けた。