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10月4日に世界銀行は、東アジア・大洋州地域半期経済報告(2018年秋)を発表しました。
この報告書は、年2回春と秋に発行されています。
カンボジアの2018年の成長率についてはこれまでの予測(6.9%)から7.0%に引き上げ
ました。また、経済成長は引き続き好調が続くと予測しており、今後のGDP成長率予測は、
2019年6.8%(前回6.7%)、2020年6.8%(前回6.6%)と見込んでいます。輸出の増加、
順調な国内消費、投資家心理の改善による外国投資の増加等がカンボジア経済の成長に
つながると見ています。物価上昇率は、2018年3.2%(前回と同じ)、2019年3.3%
(前回3.4%)、2020年3.0%(前回3.3%)と、安定すると予測しています。経常収支の赤字
(対GDP比)は、縫製品原料等の輸入の伸びで2018年上半期は14.3%増となったものの、
好調な直接投資等で埋め合わされ総合収支は黒字を続けており、外貨準備は増加を
続けており、2018年6月時点で90億ドル(輸出の6カ月分)と非常に安定的な水準です。
対外債務については、引き続き「低リスク国」に分類しています。
今後のリスクとしては、世界での保護貿易の動き、特恵関税資格の喪失、中国経済の
予想以上の落ち込みをあげています。米国の保護貿易の動きについては、カンボジアは
中国からの工場のシフト等によりプラスの影響もありうるとしていますが、中国経済が
落ち込むと、外国直接投資や観光に影響を与える可能性が強いと指摘しています。また、
課題としては、中国の投資や支援に過度に依存しないで、国内資金を動員して
インフラ拡充を進めることが必要としています。